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Burger_King

OK Google. What is the Wapper Burger?を「Google Home」で試してみた

先日、米国で行われたバーガーキングのプロモーションが少し話題となっています。

その内容は、バーガーキングが現地のテレビで流した 15 秒の CM において、“OK Google. What is the Wapper Burger?” というフレーズを流したというものです。このフレーズをテレビから発信することで、例えば家庭に置いてある「Google Home」などの「Google アシスタント」を強制的に起動させて CM の制限時間内では足りないバーガーキングの目玉商品「ワッパーバーガー」の説明を「Google アシスタント」に行わせることを狙ったわけです。

「Google アシスタント」は単語などのフレーズの説明を Wikipedia から拾ってきてそれを表示したり音声で流したりします。“OK Google” は「Google Now」や「Google アシスタント」を起動するトリガーフレーズですが、Android の場合はユーザー個別の音声を認識させておくことで、他人の“OK Google” では起動しないように設定することができます。

一方で「Google Home」は今のところユーザー個別の音声を認識させる機能が実装されていないので、“OK Google” というフレーズさえ認識させてしばえば「Google アシスタント」を起動することができてしまうわけです。バーガーキングはこれを狙ったわけですね。つまり “OK Google. What is the Wapper Burger?” の CM を聞いた「Google Home」は Wikipedia の “Wapper Burger” ページ(英語版)の説明を強制的に流し始めるわけです。

そしてその動画がこちら。

https://www.youtube.com/watch?v=U_O54le4__I

問題の本質

プロモーションとして面白いのですが問題の本質はここからです。バーガーキングはこの CM を流すにあたって、事前に Wikipedia の “Wapper Burger” ページを編集して自社に有利なプロモーション内容に書き換えた可能性があると言われています。

Wikipedia は不特定なユーザーが自由に書き込んだり編集ができるフリープロジェクトです。なのでバーガーキングが CM と「Google Home」の連動を考慮してWikipedia の “Wapper Burger” ページを編集したとしても不思議ではなく、本来ある機能を逆手にとって行ったプロモーションなので違法というわけではありません。ただやり方としてはあくどいので、モラルというか会社の資質は問われても仕方ないですよね。

ニュアンス的には WEB ページを開いた際に強制的に画面いっぱいに表示される広告や、ポップアップで強制的に表示される広告に似ています。むしろそのもので、悪意のあるインタースティシャル広告と言っても過言ではないでしょう。

更に Wikipedia の “Wapper Burger” ページはほかの悪意あるユーザーに改ざんされるところまで発展し、結局 “Wapper Burger” ページは元の状態に戻りつつ編集ができないようにロックが掛けられてしまいました。ロックが掛けられる前までは悪意によって改ざんされた説明が実際に流れてしまっていたそうです。

また Google はこの CM に「Google Home」が反応しないように CM の音声ブロック設定を施しました。なので現在は上記の動画には「Google Home」は反応しないようになっています。

というのが先日話題となった米国バーガーキングのプロモーションのニュースの一連の流れです。

実際に試してみた

私がこのニュースを知ったのは Wikipedia の “Wapper Burger” ページのロックと「Google Home」の CM 音声ブロック設定が施された後だったので流れには乗れなかったのですが、せっかく「Google Home」を持っていることもあり、実際に動画を流して試してみました。更に私自身の声で “OK Google. What is the Wapper Burger?” を試してもみました。

本当に CM の音声には無反応でした。実際には “OK Google” には反応していますけどね。ただ私自身の“OK Google. What is the Wapper Burger?” には反応しているので、このフレーズ自体をブロックしたわけではない模様です。

もしこの CM の男性が同じフレーズを実際に「Google Home」に発したらどうなるのかが気になるところですが、流石にそういった検証は行われないでしょう。

Google は昨今、モバイルでの爆速表示に特化した「AMP」を提供開始したり、モバイル表示での悪意があったりコンテンツを邪魔するインタースティシャル広告を表示する WEB サイトの検索順位を下げたりと、よりユーザーライクなサーチエンジンの運用に力を入れています。今回のバーガーキングのプロモーションは見方によっては面白いですが、しかし一般的なユーザー視点からしたら単なる迷惑な広告と変わりはありません。なので対策されてしまったのは自然な流れといえます。

まぁでも Google も今回ばかりは盲点を突かれたなって感じなんじゃないですかね。今回の一連の流れは更に今後に活かされると予想されます。

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執筆者情報:石井 順(管理人)

今では月間最高 190 万 PV を誇る、運営歴 10 年以上の当サイト「Jetstream BLOG」管理人です。海外ガジェットの個人輸入や EC サイト運営、Google 公式認定プログラム「Google ヘルプヒーロー」での活動を経て、国内外ガジェット情報や Google 系アプリ / サービスの新機能情報など、当サイトを通して幅広く発信しています。

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