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幼稚園バスの事故はデジタル改革で防げたはず【コラム】

こんにちは。一番右に立つ大きい園児こと、Jetstream BLOG 管理人兼ライターの 石井順 です。

保育園や幼稚園で痛ましい事故が起きる度、胸が痛みます。

実は私、今から 4 年前に、認可外保育園で働いていました。自身に子供もおらず(むしろまだ結婚もせず)、親族など含めて自身の周りに子供もおらず、むしろ子供とどう接すれば良いのかもわからない状態で私が保育園に入園したのは、単にその保育園の人員が少なかったため。バスの運転と PC(Excel、Word)を使用した事務仕事をできる人員が辞めてしまうということで、その保育園のオーナーの知り合いの知り合いから声が掛かり、たまたま働くことになった、というだけの話です。

その保育園は、オーナーとの反りが合わずに結局一年で辞めてしまうことになるのですが、一年の間いろいろと自分なりに、スマートフォンがガジェットなどの自身の偏った知識と経験、そして正に趣味を生かして改革をしました。その一部を紹介すると共に、現在保育園や幼稚園従事する方々に対する何かのヒントになれば良いと思って、今回この記事を書かせていただいています。

前置き

正直、保育園をはじめとした教育業界は、未だアナログ作業を中心とした効率もクソもない無駄な作業を延々とやらされるような業界です。私が業界の端の端に在籍していたのは 4 年前の話ですが、未だに業界関係者や知り合いの保護者からは「何も変わっていない」というような話しを伺います。

なぜなら、教育業界には「人間性」というもっともらしくしょーもない建前があるため。要は、デジタル技術を駆使してシステマチックにシステム化されたシステムに対して、教育教という宗教に反する罪かのごとく異常に嫌悪する輩が多い業界が、教育業界です。正にカルト。

ただこのカルト的考えは、受け手側にもまん延しているのが事実。なので教育業界だけでなく、その影響を受ける方々の意識を変える必要も絶対的にあると断言します。

いやだったらあんた、園児全員の連絡ノートを降園の時間までの間に書いてみろよ、と。園児は黙って待っててくれないし、何より園児から目を離せるスキなんて一瞬たりともないんですよ。連絡ノートに集中出来る時間帯なんて、お昼寝の時間か休憩時間のみ。スタッフは常に、休憩を返上したりサービス残業をして作業していることがほとんどです。

ちなみにですが、今回この記事を書いた理由は、当たり前ですが幼稚園で発生した痛ましい事故に便乗して PV(ページビュー)を稼ぐためではありません。単純に今回の事故を知ったときに、「またか」という思いと共に、「システム化で防げた事故だ」という思いが浮かびました。なので、その思いと共に私の過去の保育園改革事例を発信して、世の中に何かのきっかけを与えられたら良いなと思っただけ。

私は 4 年前にも、同様の記事を公開しています。ただあのときよりもだいぶ月間 PV も増え、多少影響力は上がりました。なので、今回改めて書かせていただいています。

今回の幼稚園で発生した痛ましい事故も、単純にヒューマンエラーが原因。解決のために「再確認徹底」などを叫ばれるカルト的無能な方々もいますし、日本という国自体も「安全管理の徹底を求める通知」で済ませようとしていますが、「再確認徹底」で防げるのであれば、とっくに今回のような痛ましい事故が起きない世の中になっています。

起こるべくして起こるのが、ヒューマンエラーです。それをカバーするのが、効率化とシステム化。

「Google カレンダー」で登園スケジュール管理

Google calendar
「Google カレンダー」

私が保育園に入園しはじめてから、それまで紙の管理表などに書いて管理していた園児の登園スケジュールやスタッフのシフト、そして日毎のイベントなどを、保育園の Google アカウントを作成して「Google カレンダー」で管理するようにしました。

そうすることで、当日の園児の登園スケジュールはもちろん、スタッフ配置やケータリング準備などなどを、事前に予定立てておけるようになるためです。それまでは紙の管理表で書いてアナログ管理していたので、書き漏れや更新 / 修正漏れはもちろん、その紙の管理表がほかの書類に埋もれて紛失しまうなどのこともあり、そもそもまったく管理できていませんでした。

それでも上長は「書いておけ」「見ておけ」で済ませてしまうので、超絶無能で正に厄介。実際には上長が失念することが一番多かったので、本当に終わっている組織でしたね。たかだか園児 25 名程度、スタッフも 4 ~ 5 名程度の小さい園でこの状況。語彙力無視で言うならば、ヤバイの一言。

「Google カレンダー」で管理して共有しようとて見ない人は見ないので、スタッフ間で作成していた「LINE グループ」に、次の人スケジュールを必ず送るように日々のルーティンを改善。もちろん、スケジュールをホワイトボードに書き出しもしました。「見てない」「把握してない」は絶対に言わせないように、何重にも予防線を張ったわけです。

今更ですが、私が当時在籍していた保育園のオーナーと、最期は大喧嘩して辞めています。なので当時使用していた Google アカウントのログイン情報もとっくに抹消していますし、スクリーンショットなどの証拠はもはや提示できません。ごめんなさい。

保育園の Google アカウント自体は生きていると思うので、まだ使われていることを願います。

連絡ノートを「LINE」に移行

LINE@
「LINE@」

次に行ったのが、連絡ノートの「LINE」移行。

スタッフも親御さんもほぼ漏れなくスマートフォンを持ち、そして「LINE」を利用しているのが今の世の中。それは 4 年前から変わらずで、連絡ノートを「LINE」に移行するのはとても簡単なことでした。

実際には、保育園の「LINE@(現 LINE 公式アカウント)」アカウントを作成し、親御さんに友だち登録してもらうだけ。「LINE@」は、複数人で同一アカウントを管理出きる点もメリットなので、スタッフ全員の「LINE」アカウントと「LINE@」アカウントを紐づけ。これで親御さんからの連絡も、スタッフ全員が受信できるわけですね。

それまで手書きで行っていた連絡ノートという文化は、「持ってくるのを忘れる園児」「書くのを忘れるスタッフ」「書く時間がなくて焦って別の部分でミスするスタッフ」「持って帰るのを忘れる園児」「渡すのを忘れるスタッフ」などと、とにかくヒューマンエラーの温床。こんなヒューマンエラー文化などとっとと辞めちまえってことで「LINE」に移行したわけですが、園児の登園降園時間に縛られることなく入力時間に猶予ができてスタッフも余裕を持てるようになったというメリットはもちろん、日々成長する園児の様子を写真や動画も用いてリアルタイムに親御さんに提供できるようになったことも、恩恵の一つです。

そして親御さんによっては、スタッフが知らない休日の園児の様子を「LINE」で送ってくれるようになるなど、結果的に連絡ノートでは実現できない相互コミュニケーションの場となりました。正直私はここまで考えていなかったので、嬉しい誤算でしたね。

園児の病欠とか早退とかの連絡も、全て「LINE」に切り替え。それまでは親御さんからの口頭での言付けかもしくは電話という手段が用いられていたのですが、保育園で一番忙しい時間帯は、登園と降園の時間帯なんですよ。そんなときに親御さんから口頭で言付けされても覚えきれないですし、そんな時間帯に電話なんて掛かってこうようもんなら、もうテンヤワンヤ。

それが毎日、ランダムで発生。しかもそれを紙の管理表で管理するなんて、無理筋の一言です。ここもヒューマンエラーの温床でした。

なので「LINE」に切り替えたわけですが、親御さんからの連絡はそっくりそのままログとして残るので、そのログを元に「Google カレンダー」に落とし込めばよいだけ。それでもたまに口頭で言付けしてくる親御さんもいましたが、その度に「お手数ですが同じ内容を LINE で送っていただけますか?」と言い続けて、親御さん達にも慣れていってもらいました。

まぁもし仮に今導入するとしたら、「LINE」ではなく「Google Workspace」にしたかもしれません。一つのブランドでプラットフォームを統一した方が、スマートですからね。

その他

「Google フォト」フェイスグルーピング

「Google カレンダー」でのスケジュール管理や連絡ノートの「LINE」移行のほかにも、園児の送迎バスのリアルタイム位置情報を親御さんに知らせるために「Google マップ」の現在地共有機能を活用したり、園児の写真をすべて「Google フォト」に保存しつつフェイスグルーピング機能とライブアルバム機能を応用して、園児ごとのオリジナルオンラインアルバムを作成して URL を親御さんに共有し、その園児の写真が日々勝手に追加されていくようにしたりなど、様々に効率化とデジタル改革を行いました。

4 年前でもここまでできたわけですから、そこから 4 年後の現在では、もっといろんなことをデジタル化、デジタル改革できるはずです。「新型コロナウイルス(COVID-19)」もあり、さらにデジタル化やオンライン化は加速していますしね。

逆に言えば、それにもかかわらずまだアナログ石器時代のままなのが、教育業界。そして今回の幼稚園における痛ましい事故は、変われていない業界がもたらした結果だと、私は感じています。的外れかもしれませんが、そう言わせてください。

例えば園児の登園降園を、園児ごとに作成した QR コードのスキャンで管理して登園スケジュールと照らし合わせて即座にイレギュラーを把握するとか、いくらでも事前に対策はできていたはず。なのにそれをやらない(できない)のは、変わらない業界と変われない現場、そしてそれを後押しするかのような、アナログでカルト的な「人間性」を押し付ける世の中の責任。私はそう提唱したい。

行政からの通知で「再確認徹底」とかクソの役にも立たないことやってないで、もっと再現性の高い具体的な解決策を提示して欲しい。というかもう今の世の中、そこら変に転がってる無料サービスを活用するだけで、すぐに即座に実現可能です。そしてこんな事故、本当にさっさとなくなって欲しい。

追記

共同通信によると、該当の幼稚園では登園管理システムを導入していた模様。

しかし園側で、バス登園の園児の登園登録時にスタッフが一括して入力を行ったとのことです。つまり登園管理システムを上手く活用できておらず、わざわざシステムを回避するような意味のない運用を行っていたということ。システムを導入しようとて、結局のところはヒューマンエラーが起こした事故だったわけですね。

該当の幼稚園がなぜそのようなシステム運用を行っていたのかは不明ですが、登園管理システムの運用意図や利点をしっかりと理解できていなかったということは明白。結局システムを扱う人間に欠陥があれば、システムも機能しないということです。

ヒューマンエラーというか、そういった人間の怠慢を想定したシステムでないとダメ、ということでもありますね。

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執筆者情報:石井 順(管理人)

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