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推測。発売延期となったデイトナ「モトスマートモニター」Android Auto

こんにちは、Jetstream BLOG 管理人兼ライターの石井順です。

先日、オートバイカスタムパーツメーカーのデイトナが、今夏発売予定として 2023 年 6 月 23 日(金)より初回生産分の先行受注を開始していたワイヤレス Android Auto / CaPlay 対応「モトスマートモニター(型番:23333)」の発売延期が発表された旨を報告させていただきました。この際、私個人的な推測として、ワイヤレス Android Auto で利用する屋内(もしくは車内)利用前提の Wi-Fi 5GHz 電波(5.2GHz 帯 / W52?)が、バイクでは車内利用とならないために電波法的にクリアにならず結果的に発売延期となったと予想、とお伝えさせていただきました。

が、違いました。改めて総務省公式サイト「電波利用ホームページ」で公開されている技術基準適合証明情報で「モトスマートモニター(型番:23333)」を照会してみたところ、Wi-Fi 2.4GHz のほか、Wi-Fi 5.6GHz(W56)帯の技適認証を取得している一方で、Wi-Fi 5.2GHz(W52)帯の技適認証を取得していない旨を確認しました。つまり、当初私が推測していた、”屋内利用は許可されている W52 をバイクで活用しようとしたところバイクは屋外利用となるので NG” という内容は的外れだったわけです。ごめんなさい。

DAYTONA 23333
「モトスマートモニター(型番:23333)」技術基準適合証明(W56)

ちなみに、ワイヤレス CaPlay は Wi-Fi 2.4GHz を使用するのですが、ワイヤレス Android Auto はというと、Android 9 Pie の「Galaxy S8」「Galaxy S8+」「Galaxy Note 8」は Wi-Fi 2.4GHz、Android 10 の Google Pixel スマートフォンと Samsung スマートフォンは Wi-Fi 2.4GHz / 5GHz、Android 11 以降の Android は Wi-Fi 5GHz 使用と、変則的な仕様となっています。とはいえ、現行の Android スマートフォンの殆どが、ワイヤレス Android Auto 利用時に Wi-Fi 5GHz を使用すると考えて良いでしょう。

そして日本における Wi-Fi 5GHz は、屋内と車内利用が可能な 5.2GHz 帯(W52)/ 屋内利用のみの 5.3GHz 帯(W53)/ 条件付きで屋外利用も可能な 5.6GHz 帯(W56)の、3 つの周波数帯が許可されています。つまり日本国内でワイヤレス Android Auto を利用する場合は実質的に、W52 を利用するかもしくは条件付きで W56 を利用する、という方法となるわけです。

※W56 の条件は後述

Wi-Fi 5GHz
日本における Wi-Fi 5GHz(総務省:無線LANの屋外利用について

で、「モトスマートモニター」が技適認証を取得した W56。W56 は、気象レーダーなどでも利用されている Wi-Fi 帯域です。

そしてこの W56 の特徴として、条件付きで屋外利用が許可されている、という点があります。その条件は、電波干渉が起こりうる場合に通信を自動的に停止したり干渉しない周波数に切り替えて電波干渉を防ぐ「DFS(Dynamic Frequency Selection)」処理機能を実装しているということです。気象レーダーなどと電波干渉してしまうと気象状況が正しく把握できなくなるので大事になるわけですが、それを回避するために W56 の屋外利用は「DFS」の実装が条件となっているわけですね。

つまり、デイトナ「モトスマートモニター」が発売延期となったのは、この「DFS」を実装していなかったか、「DFS」を実装していて機能するが通信が停止したりするために実用性に欠ける、という理由が考えられます。前者の場合は「DFS」を実装すれば良い話ですが、後者だと実用性に欠ける製品となってしまい開発断念となる可能性も。

ただデイトナは「モトスマートモニター」の発売延期理由として ”開発最終段階で通信システムを法令に合致させる際に問題が発生したため” と説明しているため、前者の「DFS」未実装の要因が濃厚と言えるかと思います。デイトナ「モトスマートモニター」を心待ちにしていた私としても発売延期となった理由が前者であって欲しいのと、「DFS」実装に伴う価格変更(値上げ)でも構わないので、是非デイトナには手を止めないで欲しいという想いです。

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執筆者情報:石井 順(管理人)

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