こんにちは、Jetstream BLOG 管理人兼ライターの石井順です。
2023 年 9 月 17 日(日)より沖縄県名護市で運行を開始した、コミュニティバス「なご丸」。そんな「なご丸」に、クレジットカードタッチ決済で実際に乗ってみました。今回は、その簡単なレビューです。
「なご丸」
「なご丸」は、「名護バスターミナル」を出発して、「名護市立中央図書館」「イオン名護店」「名護博物館」「県立北部病院前」「名護市役所(名護市役所北口)」「名護市民会館」を経由しつつ、出発から約 50 分で「名護バスターミナル」に戻ってくる、名護市街循環コミュニティバスです。
バスは「右回り」と「左回り」があり、朝 7 時台から夜 6 ~ 7 時台まで、「右回り」「左回り」それぞれ一日 8 便が運行します。ちなみに「なご丸」は、(運転席を除いて)座席が 12 席の小型バスです。
そして「なご丸」最大の特徴は、「EV 車」となる点と、現金 / 沖縄ドメスティック交通系電子マネー「OKICA」のほか、「Visa のタッチ決済」「JCB のタッチ決済」「アメックスのタッチ決済」「ダイナースクラブ コンタクトレス」「DISCOVER Contactless」のクレジットカードタッチ決済を用いて乗車できる点です。運賃は大人 200 円 / 学生 100 円の一律価格で、高齢者や障がい者は無料で乗車することができます。
つまり「なご丸」は、名護市街の主要スポットを一律価格の 200 円(or 100 円)で巡ることができるお手軽コミュニティバスということです。もちろん運賃の支払いは、乗車ごとに行う仕様です。
Android「楽天ペイ(Visa のタッチ決済)」で乗車
私は手持ちの「Pixel Fold」にインストールしている Android 版「楽天ペイ」アプリにて NFC 決済「Visa のタッチ決済」を設定し、それを用いて「なご丸」に乗車してみました。
クレジットカードタッチ決済乗車の場合は、乗車時に乗車用のタッチ端末にタッチします。そして降車時は、乗車用のタッチ端末とは別に用意されている降車用のタッチ端末にタッチをします。
ちなみに現金の場合は整理券を受け取りつつ降車時に支払う仕様で、沖縄ドメスティック交通系電子マネー「OKICA」の場合は乗車時のタッチも整理券受け取りも不要で降車時に降車用タッチ決済用端末にタッチする仕様です。もちろん、クレジットカードタッチ決済用タッチ端末と「OKICA」用タッチ決済用端末は別モノ。
つまり、現金 /「OKICA」/ クレジットカードタッチ決済で、それぞれ乗車 / 降車方法が異なります。
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なかなかややこしい仕様。私はオタクの部類なのでこのややこしい仕様を把握することができますが、やはり一般のお客様にはなかなかハードル高めです。
何より、このオペレーションを覚えないといけない「なご丸」運転手には、それなりのスキルが求められます。沖縄県内を入る路線バスや高速バスには、「OKICA」で乗車する場合でも乗車時のタッチが求められるものもあるので、この辺は統一すべきだったのではないかと個人的に感じました。
感想
今回、「なご丸」運行開始日に乗車してみたわけですが、その個人的な感想は、“素晴らしい” の一言です。
上で述べたように運賃支払い方法によるややこしい仕様の違いはあるものの、「EV 車」ということで乗り心地は良好でした。一般的なディーゼルエンジンの路線バスや高速バスはエンジンの振動やタイヤ部分の揺れが激しいのですが、「EV 車」である「なご丸」は停車状態からのスタートもスムーズで、エンジンやタイヤの振動もそこまでなく、かなり快適。
何よりディーゼルエンジン特有の排気ガス臭もなく、苦痛なく名護市街の旅を堪能できました。ディーゼルエンジンのあの排気ガス臭、個人的に大嫌いなんですよね。
びっくりしたのは、「なご丸」運行開始日にもかかわらず、地元と思われるの方々が結構利用していた点です。初日にもかかわらず座席は 8 ~ 10 割埋まっている状態で、その認知度の高さに驚かされました。
ただ、ややこしい仕様の運賃支払い方法はもちろん、バス停留所によっては「右回り」「左回り」が同一の停留所だったりするなど、初心者泣かせな部分はチラホラと目立った印象。実際に、本当は「右回り」の「なご丸」に乗らないといけないのに間違えて「左回り」の「なご丸」に乗ってしまって運転手さんに相談している高齢者を見かけるなど、現場における多少の混乱も確認しています。
この辺は運行され続けることによって地元の方々も慣れていくと思われますが、もう少し初心者向けの配慮があっても過度ではないのかもしれません。
それと、「なご丸」は WEB 上でリアルタイムな運行状況を確認できるバスロケーションシステム「BusGO!」が活用されていて、スマートフォンなどで簡単に「なご丸」の現在地を確認できるのですが、「右回り」と「左回り」が色分けされていないため区別がつかない状態で、あまり利便性は高くありませんでした。この辺の改修も是非進めて欲しいところです。
とはいえ、総合的には想像以上の「なご丸」であったことは間違いなし。是非 2024 年 4 月 1 日(月)以降も運行して欲しいところです。またおそらく、現地の方々からも運行継続の要望が多数上がることでしょう。