- Google、2022 年 11 月より海外で提供を開始した AI 山火事追跡システムを専門的に解説
- Google の AI 山火事追跡システムは人工衛星画像から送られてくる画像を AI で解析することで 10 ~ 15 分ごとの火災境界情報提供を実現
- 現在は米国、カナダ、メキシコ、オーストラリアで展開
Google は 2023 年 2 月 3 日(金)、昨年 2022 年 11 月に発表 & 米国、カナダ、メキシコで展開開始し 2023 年 1 月にはオーストラリアでも展開を開始した AI 山火事追跡システムを、専門的に解説する記事を公開しました。
Google の AI 山火事追跡システムは、人工衛星画像を活用して AI モデルをトレーニングし、山火事をリアルタイムに特定して追跡し進行を予測するシステム。地球の自転周期と同周期で公転している静止衛星「GOES-16」「GOES-18」が北米(米国、カナダ、メキシコ)地域、「ひまわり 9」と「GK2A」がオーストラリアのそれぞれの地域をカバーし、それら静止衛星から送られて来るデータを元に山火事発生を特定し、10 ~ 15 分ごとの火災境界情報提供を実現します。
Google の AI 山火事追跡システムで用いられる画像データは、静止衛星からの上空写真はもちろん、電磁波波長帯ごとの「マルチスペクトル画像」も含めます。これにより、人の目では確認できない山火事の状態を把握することが可能。
とはいえ、山火事の放射強度は様々な要因で可変となるため、正確な火災範囲を特定することは困難となります。そこで、様々なデータを元にトレーニングされた AI アルゴリズムが用いられるわけです。
実際に Google の AI 山火事追跡システムは 2022 年中、米国とカナダで 30 件以上の山火事を検出し、地元住民や消防士への情報提供として役立っています。
日本は多湿となることや山火事の広がり抑制を考慮した様々な工夫から、大規模な山火事が起こりにくくなっているのですが、特に山火事の主な原因と言われている干ばつや乾燥が多い海外地域においては、自然発火による大規模で長期的な山火事が発生しやすくなってしまう模様。つまり山火事は、深刻な自然災害となるわけですが、Google はその自然災害を食い止めるためのシステム開発と情報提供を、日々行ってくれているというわけですね。
Source:Google