- Google、Bluetooth トラッカーにおける第三者位置追跡注意アラート「不明なトラッカーアラート(Unknown tracker alerts)」を Android 6.0 Marshmallow 以降の Android デバイス向けに提供開始
- 第三者によって仕込まれたスマートタグなどのトラッカーによる位置特定を検出した場合に即座にユーザーに通知してくれる保護機能
- まずは Apple 製スマートタグ「AirTag」の悪用を検出可能に
Google は 2023 年 7 月 27 日(木)、2023 年 5 月開催開発者向けイベント「Google I/O 2023」にて発表した、Bluetooth トラッカーにおける第三者位置追跡注意アラート「不明なトラッカーアラート(Unknown tracker alerts)」を、Android 6.0 Marshmallow 以降の Android デバイス向けに提供開始しました。
Android の「不明なトラッカーアラート」は例えば、第三者によって仕込まれたスマートタグなどのトラッカーによる位置特定を検出した場合に、即座にユーザーに通知してくれる保護機能です。ユーザーが意図しないスマートタグがバッグなどに仕込まれ位置特定機能を悪用された場合、そのスマートタグとユーザーが同時移動することになるのですが、その仕込まれたスマートタグとユーザー保有のスマートフォンが非ペアリング状態にあるにもかかわらず同じ位置情報や移動情報が検出されるため、不自然な動きとして検知され、そして「不明なトラッカーアラート」として通知されるわけです。
「不明なトラッカーアラート」通知では、通知からその不明なスマートタグの位置を特定したり、「サウンドを再生」にて不明なスマートタグから音を鳴らして仕込まれたスマートタグの場所を特定することが可能。また、特定して発見したスマートタグを物理的に破壊して位置特定を無効化するための手順なども表示されます。
さらに、Android の[設定]→[安全性と緊急情報]→[不明なトラッキング アラート]と進み[今すぐスキャン]をタップすることで、身近な不明なスマートタグをスキャンして検出する手動スキャンも利用することができます。手動スキャンは、約 10 秒程度で検出が完了するので手軽に利用可能です。
Android の「不明なトラッカーアラート」はまず、Apple 製スマートタグ「AirTag」にて動作します。カバンなどに意図しない「AirTag」が仕込まれ悪用されている場合に、「不明なトラッカーアラート」が Android に通知してくれるようになるわけです。
また「不明なトラッカーアラート」は、Google と Apple が共同で立案した Bluetooth 位置追跡デバイスの悪用に対抗するための業界仕様案「Detecting Unwanted Location Trackers」の元、より多くのスマートタグにも順次拡大展開されていく予定です。
ちなみに Google は「不明なトラッカーアラート」の発表と同時に、その機能の元となる Android スマートフォンや Bluetooth トラッカー、Bluetooth イヤホンなどのデバイスの位置特定サービス「デバイスを探す(Find My Device)」のリニューアル版も 2023 年夏の終わりに提供予定と発表していたのですが、こちらについては 2023 年末提供予定に延期されています。リニューアル版「デバイスを探す」は、近くにある任意の iOS デバイスを介して位置情報を取得 Apple の「AirTag」と同様の仕様で、世界 10 億台以上の Android ネットワークを活用してオフライン状態の Android デバイスや Bluetooth デバイス、Bluetooth トラッカーの位置情報まで取得できるようになる新しい位置特定機能として大注目となっているのですが、残念ながら提供開始は申込し先となります。
Android の「不明なトラッカーアラート」は、リニューアル版「デバイスを探す」のに先駆けて、今回提供開始となったわけですね。
Source:Google