Sony が 5 月 23 日に開催された決算発表会「Sony IR Day 2017」において、2017 年の Sony Mobile 事業計画を発表し、その中で 2017 年後半は「Xperia X / X Compact」の「プレミアム・スタンダード」のラインを廃止することを明らかにしました。
「プレミアム・スタンダード」は「Xperia X Performance」や「Xperia XZ」の「フラッグシップ」ラインと、「Xperia X Ultra」シリーズなどの「ミッドレンジ」ラインの中間を埋めるラインです。「フラッグシップ」並みの機能を実装しつつ価格は「ミッドレンジ」程度か若干高めとなるわけですが、逆に言えば中途半端なラインではあります。
「Xperia X」シリーズ自体、「Xperia Z」の次の世代のブランドとして 2016 年に発表され、そして同年より「プレミアム・スタンダード」ラインとして同年春に「Xperia X」、秋に「Xperia X Compact」が発売されたわけですが、たった 1 年での廃止となりました。
今回なぜ「プレミアム・スタンダード」が廃止になるかというと、単刀直入に 2016 年の販売実績が著しく悪かったためです。「プレミアム・スタンダード」の販売実績は計画に対して 31% 程度とかなりヒドイものとなりました。
公開されている資料を見てみると、国内ですら計画未達となっていることがわかります。そもそも「Xperia X」は国内では販売されていないので、これまで大人気シリーズとなっていた “Compact” が国内で未達となってしまったわけですね。
ちなみに私は「Xperia X」を一時期持っていて活用していましたが、特に不満のないかなり優秀な機種でした。しかし上位モデルの「Xperia X Performance」と比べてしまうと見劣りする部分は多々ありましたし、そもそも当時は結構高めな本体価格となっていたことは記憶に新しいですね。
何にしろこの状況のため 2017 年後半以降は「プレミアム・スタンダード」が廃止となり、「フラッグシップ」と「ミッドレンジ」に注力した展開となることが、Sony Mobile より発表されています。
また Sony Mobile は 2017 年後半に、「Xperia XZs」と「Xperia XZ Performance」の後継となる「フラッグシップ」を 2 機種を投入する計画であることも明らかにしています。
売れない原因は別にあるのでは?
ここからは完全に個人的な見解ですが、Sony Mobile はここしばらく年 2 回の「フラッグシップ」発表を続けてきています。これは他のメーカーではあまり見られない傾向で、例えば Samsung は春にフラッグシップスマートフォンを発表し、秋にノートブランドの新機種を発表するという流れを続けてきていますが、あくまでも別コンセプトのフラッグシップ発表です。
LG も年に 2 回フラッグシップスマートフォンは発表しているものの、春と秋ではまったく違うコンセプトのモデルを発表しているので、実質的には Samsung と同じく別モデルのフラッグシップを年に 1 回ずつ発表しています。
年に 2 回、同コンセプトのフラッグシップスマートフォンを発表しているのは Sony Mobile くらいでしょう。
さっさとこの流れを廃止して、春に「フラッグシップ」、秋に「Xperia Z Ultra」のような別コンセプトのフラッグシップ(もしくは「プレミアム・スタンダード」)を発表する流れにすれば良いのでは?と、今回の IR 発表を受けて誰もが思ったはずです。
既に Sony Mobile は 2017 年後半に「フラッグシップ」を 2 機種発表することも予告しているので、恐らく IFA 2017 辺りで “また「フラッグシップ」かよ…” と誰もが思うことは目に見えています。早く気づいて欲しいですね。
Source:Sony