- 堀江貴文氏、先日発表された楽天モバイル新プラン「Rakuten 最強プラン」を解説
- KDDI とのローミング契約によって KDDI へのローミング通信利用分の課金もアンリミットになる可能性
- どっちに転ぶかわからない丁半博打
日本の実業家である堀江貴文氏は 2023 年 5 月 12 日(金)、先日楽天 MNO ブランド「楽天モバイル」の新プランとして発表された「Rakuten 最強プラン」について解説する動画を、公式 YouTube チャンネルで公開しました。
「楽天モバイル」新プラン「Rakuten 最強プラン」は、次世代通信規格「5G」対応プラン「Rakuten UN-LIMIT VII(ラクテンアンリミットセブン)」に代わる新プランとして 2023 年 6 月 1 日(木)より提供開始されるわけですが、なんといってもこれまで月間 5GB までに制限されていた国内パートナー回線(KDDI)におけるデータ通信(ローミング通信)が無制限で利用できるようになる点が最大の特徴。料金据え置きとなるため「楽天モバイル」ユーザーにとってはメリットしかなく、0 円運用が不可となった「Rakuten UN-LIMIT VII」のせいで離れていったユーザーはもちろん、回線状況を気にして踏み出せなかった新規ユーザーも合わせて、大幅な契約者数獲得を狙うことができる起死回生プランとなるわけです。
そんな魅力ある「Rakuten 最強プラン」ですが、堀江氏によるとまだどちらに転ぶかわからない “丁半博打” とのこと。なぜなら、国内パートナー回線接続時のいわゆるローミング通信における通信料を、実は「楽天モバイル」が負担しているためです。
これまでプラン内包分の国内パートナー回線通信量は最大で 5GB までとなっていたため上限が見えていたのですが、「Rakuten 最強プラン」提供後はローミング通信がデータ無制限となるために、KDDI に対するローミング通信利用分の課金もアンリミット(無制限)となり、負担が増す可能性があるわけです。ちなみに堀江氏によると、KDDI の前期の営業利益は、「楽天モバイル」の課金のお陰で過去最高となったとのこと。
もちろん「楽天モバイル」も現状のローミング通信料と課金分、そしてサービス提供開始当初から比べるとだいぶ広がった「楽天モバイル」エリアを考慮して、その中でもまだ繋がりにくい都市部の一部繁華街エリアや一部インドアエリア、ルーラルエリア(田舎圏)をカバーするための、主にプラチナバンド狙いの KDDI との新ローミング協定と合わせて、今回国内パートナー回線も無制限となる「Rakuten 最強プラン」の提供に踏み切ったと予想されます。
「楽天モバイル」は「Rakuten 最強プラン」を提供するにあたって、これまで基地局増設のために行ってきた過剰投資を見直して、ローミング通信利用分の課金に回しつつ黒字化を目指すとしています。
ただし KDDI との新ローミング協定も 2026 年 9 月までとなるため、「Rakuten 最強プラン」のローミング通信無制限も期間限定です。その期限までに基地局を増設してさらなるエリア拡大を目指すと共に、総務省へのプラチナバンド(700MHz 帯 3MHz 4G システム)早期割当の要望をさらに強く押し進めると予想。
つまり、「Rakuten 最強プラン」で MNP 転出を防ぎつつ赤字脱却を目指し、そしてプラチナバンド割当と共にシェア拡大を加速させる狙いがあると、私個人的には予想しています。そのためにも、「Rakuten 最強プラン」にによるローミング通信利用分の課金が足かせにならないことは最低条件と言えるでしょう。正に “丁半博打” です。
まぁ、「楽天モバイル」が思うような状況にならなければ、再度 KDDI にローミング協定延長を持ちかけると予想はされますが。KDDI にとっても、「楽天モバイル」は美味しいビジネスパートナーですからね。
とはいえ、今回堀江氏が解説したデメリット部分を隠したままユーザーメリットを最大限にアピールした「楽天モバイル」の「Rakuten 最強プラン」発表は、ビジネス的にも正に “最強” と言えるでしょう。2023 年 6 月 1 日(木)の「Rakuten 最強プラン」で「楽天モバイル」が赤字脱却となるのか、大注目です。
堀江氏は動画の最後で、“参加できる、応援できる、未来に加速する LCC モバイル(通信業界の LCC)” がコンセプトの堀江氏参加新 MVNO「HORIE MOBILE」を、しっかりとアピールしています。